第21回花の国づくり共励会 花き技術・経営コンクールの募集について
財団法人日本花普及センターは、花き生産に係わる技術・経営の優れた個人又は集団の募集しています。このコンクールは、農林水産祭の参加行事であり、農林水産大臣賞を受賞した方(通常2点)は、翌年度の天皇杯、内閣総理大臣賞候補として推薦しています。
(開催日程)
出品募集期間:平成23年8月1日~11月30日
予備審査:平成23年11月~12月上旬
本審査:平成23年12月中旬
現地調査:平成24年1月下旬~2月中旬
表彰式:平成24年3月中旬
(第21回花の国づくり共励会 花き技術・経営コンクール実施要領)
花き技術・経営コンクール実施要領(PDF形式)
(応募用紙様式)
応募用紙(個人の部)(WORD形式)
応募用紙(集団の部)(WORD形式)
なお、第20回花の国づくり共励会花き技術・経営コンクールの結果については以下のとおりです。
【農林水産大臣賞】
◎有限会社横川花園
(代表取締役 横 川 保 次)
〒366-0814 埼玉県深谷市大谷476-1
【農林水産省生産局長賞】
◎河 合 修
〒501-4202 岐阜県郡上市八幡町市島1545
◎安 田 克 徳
安 田 節 子
〒822-0123 福岡県宮若市三ヶ畑1718
◎山 口 政 則
山 口 和 代
〒859--3803 長崎県大村市今富町525
【財団法人日本花普及センター会長賞】
◎伊 藤 正 規
〒441-3201 愛知県豊橋市東七根町字松端178番地の3
第20回花の国づくり共励会(平成22年度)花き技術・経営コンクール
審 査 講 評
第20回花の国づくり共励会花き技術・経営コンクールは、花の国づくり都道府県協議会などより推薦がありました経営体について、6名の審査委員による提出された書類に基づく第1次審査と、現地での第2次審査を通して厳正に行われ、本共励会の最高賞である農林水産大臣賞には、次の経営体が選ばれました。
埼玉県深谷市の横川保次氏は、高校を卒業後、農業とは異なる民間企業の業務を経験しました。その後、花きに関心を持つようになり、東京都内でフラワーショップの経営を開始しました。経営を通して花きに対する消費者ニーズを捉え、それに応えるための商品企画の重要性を学び、この経験を基に、31歳の時に就農しました。
当時、氏の父親は、深谷市で切り花生産を営んでいましたが、氏はこれまでの経験を生かした独自の経営を目指して2,000㎡のハウスを新設し、スイートピー、ケイトウ、ラベンダーなどの鉢物生産を開始しました。
その後、施設の拡充や、ユリ、ストック、カラー、チューリップなどの新品目の導入を経て、平成7年に有限会社「横川花園」を設立しました。現在では温風暖房機、細霧冷房装置などの設備を備えた鉄骨ハウスの活用、球根の開花調節のための冷蔵庫の導入及び従業員の常時雇用などによりユリ、チューリップの球根鉢物生産を中心とした経営を確立しています。
経営の主力であるユリについては、オランダ国際球根協会に入会し、定期的にオランダヘの現地視察を行い、鉢物向き品種の情報収集に力を入れています。また、自社の冷蔵庫の活用による球根の冷蔵処理、温室の温度管理、日長処理を駆使して、周年出荷と良品生産を可能にしたことで全国の市場から高い信頼を得ています。また、深谷市は老舗のチューリップ切り花産地であることから、地元の情報を有効に活用し、チューリップの鉢物生産を経営の中でユリに次ぐ主力商品に育て上げ挙げました。さらに、ユリの鉢の間に生態特性の異なるギボウシの鉢を置くことで、ベンチの有効利用を図るとともに、経営の中に新たな商品として位置付けています。
雇用面では、年間を通した雇用、傷害保険の加入、休憩室の整備等の勤務条件を充実し、質の高い労働力の確保に努めています。作業面では、移動ベンチやアルミ台車の導入、ハウスや出荷所おけるフオークリフトなどの作業機の利用、自動消毒機や自動潅水設備の導入などで、労働軽減を図っています。
ユリ、チューリップでは、エコファーマーの認定を受け、環境保全にも配慮し、安全・安心な花きの生産に取り組んでいます。更に、知的障害者授産施設への商品の提供、キッズガーデニング教室を通した「花育活動」の援助など積極的な社会貢献も行っています。
このように、ユリ、チューリップを鉢物として商品化し、新技術の導入や施設の有効利用により安定した生産体制を整備し成功を収めていること、地域の生産振興や後継者育成に活躍されていること、過去3年間の出荷数量、経営収支ともに安定していることなどが高く評価され、農林水産大臣賞に値すると判定されました。
農林水産省生産局長賞に選ばれました次の3経営体は、以下に述べる点で高く評価されますが、農林水産大臣賞に選ばれた経営体に収益性、経営の安定性の上で僅かに及ばないと判断されました。
岐阜県郡上市の河合修氏は、30歳の時に「河合園芸」を設立し、専業で花き生産を開始しました。設立当時は、シクラメンやシュウメイギクを生産していましたが、中山間地域の冷涼な気候に適した品目として、鉢花・苗物としての出荷が珍しく、高値が期待される南米ペルー原産のアルストロメリアに注目し、その生理生態を研究することで、特に、夏季のかん水量の調節を行い「親株の夏越し技術」を習得し、生存率を向上できる完全自給親株生産体制を確立しました。さらに、種苗費の節減を図るために、育種に積極的に取り組み、現在、生産している35品種すべてをオリジナル品種としています。
一方、花き生産に当たっては、ローラーベンチやポッティングマシンの導入、トラクターバケットによる培土づくり、ベンチカーなどの利用による労働軽減を図っています。また、暖房燃料の切り替えによるCO2排出量の削減、鉢残土の露地作物への再利用など、環境保全にも配慮しています。
このように、中山間地域という地理的条件を活かし、オリジナル品種の育成による差別化で高い所得率を確保していることが評価されました。
福岡県宮若市の安田克徳、節子夫妻は、就農してから共に30年以上に及びますが、その間、露地ギク生産をベースに切枝花木類、特にサカキ、シキミ、花モモ、サクラ、ウメ、マツなどの栽培を行ってきました。平成11年に、経営目標と役割分担を明確にするため、克徳氏は認定農業者となり家族経営協定を締結しました。さらに、経営効率を高めるため、平成15年に花木・枝物専作農家としては、県内初の有限会社「安田花卉」を設立しました。
花木・枝物は同じ品目でも用途によって求められる形質・形状が異なる事が多いことから、仕立て方法や栽植間隔を変えながらニーズに応えています。また、生産面では、気象データに基づく収穫時期や出荷時期の調整、ヒートポンプを活用した出荷期間の拡大、独自の鮮度保持技術の開発などで安定生産と品質の向上を図るなど、高い技術水準を有していることが分かります。
さらに、花材の魅力を最大限に生かす商品作りをベースに、多様な品目を栽培することで実需者二-ズに対応するなど、市場・実需者の評価は高く、安定した経営を実現し、県内のモデルとなっていることが評価されました。
長崎県大村市の山口政則、和代夫妻は、イチゴ栽培農家として農業に従事していましたが、地域で古くから県外出荷を行っているカーネーションに着目し、雇用を活用した大規模経営を目指し平成8年からカーネーション栽培を開始しました。この時、4戸の生産農家で農業生産法人「フラワーウェイおおむら」を立ち上げ鉄骨ハウスを導入するとともに、共同選花場を設置しました。
現在、夫妻は、鉄骨ハウス40a、パイプハウス30aでカーネーションの大規模経営を行っています。家族経営協定を締結して、働きやすい環境作りと役割分担を明確化し、経営者の妻は雇用管理を、後継者は直売所と補完品目を担当して経営参画しています。
栽培面においては、自動温度管理システム、自動カーテン、養液土耕システムなどを利用した労力軽減と開花調節、二重カーテン、4段サーモ、循環扇の設置による燃料費の低減、環境保全においては、防虫ネット、土壌分析を基礎にした土づくりなどで高品質花きの生産に取り組んでいます。
このように、夫妻は、花き生産におけるブランド産地の育成のみならず地域農業の総合的な発展のためにリーダーシップを発揮していることが評価されました。
財団法人日本花普及センター会長賞に選ばれました次の経営体は、以下に述べる点で評価され本賞に値すると判断されました。
愛知県豊橋市の伊藤正規氏は、露地野菜農家の後継者として昭和54年に就農しましたが、昭和58年から洋らんの将来性を見込んでシンビジウム栽培を始めました。平成7年からは洋らん専作農家として、シンビジウム、コチョウラン、ミルトニアなどの鉢物を生産しています。
氏の鉢物生産において、複合環境制御システム導入により、複数の栽培品目について同時に最適な栽培環境を整え高品質生産が可能になったこと、育苗の外部委託により、栽培期間を短縮し施設利用率の向上ができたこと、また、育苗に費やしていた労力を商品開発や出荷調整作業等に向けることで高付加価値生産を行うことが可能になったことなどが評価されました。
日本経済の減退もおさまり、ようやく回復の兆しが見えてきたとは言え、農業を取り巻く環境はまだまだ厳しい状況にあります。さらに、近年の天候が安定しない中、今年の審査でも生産額、収益を着実に伸ばしている経営体の推薦が多数あったことには心強く感じました。そのような経営体では、生産効率を高めるとともに、省力化や経費節減による生産コストの低減、施設等の有効利用による環境負荷の低減に努める一方、消費者ニーズに合う品目・品種の選択、あるいはオリジナル品種の育成、さらに新しい需要の開拓にも力を注いでおり、その努力には頭が下がる思いがしました。
受賞者の皆様には心からお祝いを申し上げますとともに、わが国の花き産業の発展のため、今後とも一層のご尽力を下さるようにお願いし、審査講評といたします。
平成23年3月16日
審 査 委 員 長
腰 岡 政 二
問い合わせ先:
財団法人日本花普及センター内、花き技術・経営コンクール担当
TEL:03-3664-8739 FAX:03-3664-8743
E-mail :jfpc@jfpc.or.jp


花き技術・経営コンクール実施要領
応募用紙(個人の部)