HOME > 花にまつわるちょっといい話 > 2009年の受賞作品集

 
 記念日の花
  その日早めに仕事を終え花屋に向かった。
少ないこずかいで出来るだけの花をと意気込んで、
バラの花を10本買った。
持って帰るのが少し恥ずかしかった。家の近くまで来た時、
幼稚園児がおばあさんと一緒に歩いていた。
追い越した時、花を見たその子は「誰にあげるんだろう」と言い、
おばあさんは「奥さんか、恋人かねぇ」と言った。
その後二人で、「幸せだねえ」と笑った。
見ただけで人を幸せにする花の力に脱帽した。
  兵庫県 中谷啓二さん
 
 
 
 


 特別じゃない日
  ある日、記念日でもないのに小さな花束をくれた彼。
(・・・怪しい。何かの罪滅ぼし?)と、さりげなく追求。
すると、「別に。綺麗だったから」「安かったし」。との答え。ますます怪しい。
しかしどうやら曖昧な返事は、罪悪感ではなく、照れくさかったためらしい。
「喜ぶかなと思って」に深く反省。特別な日にもらう花も嬉しいけど、
特別じゃない日にもらうお花はもっと嬉しい。
それから「何でもない日おめでとう」や、「水曜日おめでとう」のお花が、
家には時々やってきます。
  北海道 津村美里さん

 ピンクのバラ大好き
  22歳の誕生日の前日、21本のピンクのバラの花束が届きました。
「はい? 一日間違えた? 本数も間違えちゃいました?」
彼とは遠距離恋愛中で誕生日に会う予定もなし・・・・。
すると次の日、バラ1本持った彼
「誕生日おめでとう、これは自分で渡したかったんだ」
たぶん、私はこの日に結婚を決めたのだと思います。
  千葉県 斉藤ひろ子さん

 (タイトルなし)
  息子からの初めての母の日のプレゼントは赤いカーネーションではなく、
黄色いバラの花だった。何気なく黄色いバラが好きだと言った私の言葉を
覚えていてくれたのだ。たった一輪の花が私を誰よりも幸せにしてくれた。
あれからもう30年近くがたち、息子はもう忘れているだろうと思っていた。
ところが、今年の私の還暦にと息子から大きな花束が届いた。
今度は数え切れない程の沢山の黄色いバラの花だった。
体調を崩し塞ぎがちだった私の心が久しぶりに華やいだ。幸せだと思った。
  東京都 井上薫子さん

 (タイトルなし)
  いつのことだったか随分昔のある日、職場の同僚であった夫の自宅に招かれた。
「交際を迫られたらどうしよう。」
自意識過剰な私は躊躇っていた。
しかし彼の仕事ぶりには常日頃一目を置いていたことと、
同僚の間では謎でもあった彼の日常を覗いてみたい気持ちが背中を押した。
当日、彼を訪ねて行くと、小ざっぱりとした部屋に一輪の大きなカサブランカが印象的だった。
その瞬間、私はまんまと恋に落ちてしまったのだ。
  東京都 日下京古さん

 妻には?
  東京、銀座のど真ん中で
「空には星、花には水、妻には愛を!」と大きな広告を見つけた。
私は、即叫んだ!
「空には星、花には水、妻には金を!」と、
でも、本心は、
「空には星、花には水、妻には花束を!」よ。
  神奈川県 山本京子さん

 女性は誰もが花である
  わたしが働く花屋に、ある日、1人の女性が来店した。
家に飾る花がほしいと言う。よく話を聞いてみると、娘さんが結婚し、実家から引越したそうだ。
その女性は「娘がいなくなってから家の彩りが無くなって淋しくなった。
女の子はただ居るだけで花のような存在なのよ。」と話してくれた。
何だか嬉しくなった。女性の選んだ花を包みながら、
わたしもこの花みたいに誰かを元気づけられるのかな・・・と考えていた。
優しさと笑顔の花が私の心に咲いた。
  神奈川県 米山久美さん

 薔薇の花束
  バラの花が好きだ。だからプロポーズのとき、貴方は両腕からこぼれんばかりの
バラの花束を抱えてきた。ついでに、「ねえ、バラって漢字知ってるかい?」
ううん。遠慮がちに小首を傾げた私に、紙に書いて見せた貴方の字は間違っていた。
いつも肝心なところで間が抜けているんだから。私はクスッと笑って、プロポーズを受けた。
以来、20年。結婚記念日には、貴方は会社帰りに小さなバラの花束を買ってくる。
どこか抜けているから出世はしない。
でも、花束を持つ貴方は、私の好きなあの日のまま笑顔ではにかんでいる。
  愛知県 渡辺英雄さん

 幸せのおすそわけの花
  うん?あのしまり屋のオカンが花束を抱えて帰って来た。
(何ごて!オカンが花を買ってくるとは・・・天と地がひっくり返るがア)
「オカン、何んぞ、ええことあったんか?」
「うっくっくっく・・・幸せのおすそわけや」?
早速、玄関にいけられた。
何と華やいだええ気分や
甘い香りが漂い、心がトロリン・・・・気がつくと落ち込んでいた私の心が幸せっていう顔になってる。
−−それからというもの、私が落ち込むたびにオカンは花を買ってくる。
  京都府 笹谷哲也さん

 両手で抱えきれないほどの花束
  人生で一度くらい両手で抱えきれない程の花束を貰ってみたいと思った事はないだろうか?
特に女性なら一度くらい思った事があるかも知れない。
しかし現実に人生で両手に抱えきれない程の花束を貰う人はどのくらいいるのだろうか?
そんなにいないのではなかろうか。
だから例えば奥さんにそんな夢の様な話を現実に叶えてあげてはどうだろうか。
人生で一度だけの両手で抱えきれない程の花束!絶対に喜んで貰えると思います。
  兵庫県 中崎一哉さん

 (タイトルなし)
  友人が病気で入院することになった。遠くてなかなかお見舞いに行けないので、
毎日子供と散歩して、花の写真を撮り携帯に送り続けた。
三ヶ月以上続いて、秋になりかけた時、友人から1通のメールが届いた。
「毎日花の名前を調べていたら、次の日が楽しみになった。
今日、花を見ながら家に帰ります。ありがとう。」携帯から送った色とりどりの花、今は友人のデスクまわりで咲き続けているそうです。
  和歌山県 近藤優子さん




募集期間 :  平成21年8月20日(木)〜10月31日(土)
募集告知方法 :  全国の花屋、全国の市場、花緑イベントなどでの応募はがき配布、公募雑誌、
公募Webサイトでの掲載、当センターのホームページでの掲載等
最終選考 :  平成21年11月12日(木)に作品審査委員会の開催



応募件数 :  886作品
応募者の所在地 :  47都道府県から応募がありました。
性別 :  男性 30% 女性 70%
年齢 :  8歳から90歳まで幅広く各年代から